伊丹福音ルーテル教会
伊丹市南町4丁目2の25エクレシア伊丹3F
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日曜礼拝:10:30~12:00

聖書のことば

「神を愛している」と言いながら兄弟を愛さない者は目に見えない神を愛することは出来ません。
神を愛する人は兄弟も愛すべきです。
これが神から受けた掟です」
ヨハネの手紙第一4章20節、21節

< 文:朴 潤洙 神学生 >

 皆さんは、杉原千畝という人物を一度は耳にしたことはあるかと思います。杉原千畝は第二のシンドラーとも言われるほどとても有名な日本の歴史上の人物です。
 今回は、この杉原千畝がどのような信念を持って第二次世界大戦の最中で多くのユダヤ人を救うことが出来たのかを見ていきます。

 杉原千畝が「第二のシンドラー」と言われている理由は多くのユダヤ人を救ったことにまず一つあります。杉原千畝は当時リトアニアのカウナスの領事館で外交官として勤めていた。そのような時に、ナチスのユダヤ人に対する差別に恐れたユダヤ人たちが日本大使館に助けを求めてきました。

 最初は、様子を見ていましたが徐々に焦りを感じ、どうしたら良いものかと感じ始めました。杉原千畝はユダヤ人をどうしても助けてあげたいという気持ちの一心で日本政府に確認をしたが、無視をされる始末でありました。

 しかし、ユダヤ人たちの助けを呼び求める叫びは鳴りやまないものでありました。その状況を、どうしても見るに兼ねた杉原千畝はユダヤ人にビザを発行するべきかしないべきかという葛藤がありました。

 ここに杉原千畝の葛藤を通してのクリスチャンらしい決断が下されます。彼は「外交官としてではなく、人間として正しい判断を下した」と述べています。こう聞けば、杉原千畝の判断そのものは素晴らしい一面であるとともに、この言葉の背景には杉原千畝の信仰そのものが表れています。

 このように国家機密に関する外務省の仕事を忠実にこなしながら、その一方で外務省の命令に背き、同盟を今まさに結ぼうとしているドイツが敵視するユダヤ人のためにビザを発給することを決意し、実行に移しました。

 幸子さんは著書のあとがきで、杉原氏が「私を頼ってくる人々を見捨てるわけにはいかない。でなければ私は神に背く」という言葉を述べていたことを明かします。さらに、中国ハルピンにいた頃、ギリシア正教会で洗礼を受けていた杉原氏が、「神は愛である、愛は神である」というヨハネの第一の手紙4章の教えを信じ、「異邦人であろうと人間と人間の愛は世界の幸せにつながる」と考えていたことは間違っていなかったとキリスト教徒である幸子さんは語っています。

 ヨハネの手紙第一では神が愛であり、愛は神であることを指しています。神に留まる人は神もその人の内に留まるとされています。神様は独り子であられるイエス・キリストを通して私たちに愛を示してくださいました。杉原千畝はヨハネの手紙第一4章20節、21節に「神を愛している」と言いながら兄弟を愛さない者は目に見えない神を愛することは出来ません。神を愛する人は兄弟も愛すべきです。これが神から受けた掟です」というこの教えを受けて、外交官としての働きではなく一人のクリスチャンとして6000人ものユダヤ人助けることが出来たのです。

 彼の外交官としての生き様、クリスチャンとしての生き様はまさに神様の愛の内に留まり、信仰に真に生きた人物です。私たちも同じように神様の愛の内に留まれば、神様が今日もこれからも共にいてくださいます。

神様の愛が皆さんと共にこれからありますように。

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